第1章 ワガママ
程なくしてチャイムが鳴る。
「勝手にどうぞー」
潤くんの顔がモニターに映ったから
鍵を解除してそのまま上がって来てもらう。
「お疲れ」
「お疲れ様。ごめんね?」
「いいよ。ってか。まだ玄関?」
「ん。眠い」
「ちょっ!ここじゃ寝れねーだろ?!」
「やだ…。動けない」
「ったく!」
程よく付いた潤くんの胸元。
あー。お姫様抱っこしてもらってるんだ。
と気付いたけど……酔ったふり。
「ほら?ニノ?寝室案内して?」
「んー?あっちー!」
「あっちじゃ分かんねーだろ…」
「あっち!だもん!」
潤くんの肩にぎゅっとしがみつく。
俺さ。
潤くんのこと。
好きなんだよね。
メンバー。仲間。とかじゃなくて。
1人のオトコとして。
だから……
わざと。こうなること仕向けたんだ。
ゲーム機なんて、どうでもいい。
優しい潤くんなら届けてくれるだろう…って。
今日……告白しよう。って。
嫌われてもいい。
今まで通りに出来なくてもいい。
ただ。
俺の気持ちを伝えたかったんだ。