【Harry Potter】 Missing Heart
第16章 闇に対する防衛術
「先生…少し…休ませて下さい。」
「甘い、では次からは私も攻撃を仕掛ける。」
「ええっ!」
と言うがスネイプは許可しない。そしてがつまづいたときである。
彼の放ったのは磔の呪文だった。
「ひっ!」
が叫んだ瞬間に体は電気が走ったような感覚と全身がばらばらになるのではないかというほどの激痛が走る。
そしてほんの数十秒後には激痛が去り、は地面に倒れる。
「本気になれと言ったであろう。転んだときにも油断せず防御せねば意味はない。」
「痛い…」
それ以上言葉を紡げない。
「今のは磔の呪いだ。魔法省では使用を禁じられている3大呪文だ。君には体験として使った。」
そう言ってスネイプは起き上がれないを抱き上げた。
「今日の授業は終わりにする。今は歩かなくても良い、運んでやる。」
授業では聞いていた拷問の呪文である磔の呪いの凄まじさには息も絶え絶えだ。スネイプの腕の中で激痛に耐えるに彼は話しかける。
「いいかね、。よく覚えておけ。攻撃者は法律などには従わぬ。手段を選ばぬ。今までの甘い考えは棄てるのだ。」
はそれに返事をする余裕もなく磔の呪いの余韻の痛みに耐える。
学生たちはすでに就寝前の時間で寮に戻っており廊下には人影はない。は痛みに時々声を上げる。
スネイプは地下牢教室の奥にあるオフィスにある長いすにを横たえると複数の魔法薬を出すと痛みで動けないに手ずから飲ませる。普段は魔法薬を嫌がるだったが痛みは、その魔法薬をも必死で飲み下させる。
やがて激痛が嘘のように引き、重い筋肉痛のような痛み程度になったが。は体力の消耗に起きることが出来ない。
「今日はよく頑張ったな、。」
普段は滅多に労いの言葉などかけないスネイプにはきょとんとしたが、なぜか自然と涙が出る。
「痛かったです…。」
「そうだろうな。君には悪いことをしたと思っている。だが君がこの世界に生きて行くには必要なことなのだ。」