【Harry Potter】 Missing Heart
第14章 彷徨う心
今やの指導に終始しているスネイプは魔法薬学からは外れているが、これだけは未だにのやっている課題に対してはスラグホーンにも1ピコミリグラムたりとも疑義を挟ませるつもりはない。つまりのレポートには彼のプライドがこめられている。
本来であれば教科書の要点をまとめてレポートにすればよいので1時間程度で十分終わるはずだが、スネイプはに次々と問題点を指摘していく。必要な資料と、いうよりホグワーツの図書室にも置いていないであろう薬学資料や最新の薬学雑誌もこの部屋には置いてあるので使わせる。
かくしての魔法薬学レポートは十分に研究資料にも耐えられるほどの出来になる。
やがてが全ての課題をやり終えたときである。スネイプはの小さな変化に気づいた。今日はほとんどはスネイプと目を合わせて話をしない。会話は至極普通通りだったのだが。確か以前も1度だけ同じ事があった。そのときは魔法界に着たばかりのを完全管理しようと開心術を使ってまで追及したが。今は既にそこまで管理し尽くす必要もないので、それは使わなかった。
「、何があった?」
「え?何も。」
「ウソをつけ。目が泳いでいる。」
スネイプはため息をつく。今や学校中はとスネイプの関係について学生が大きな関心を持っている。
「君が気にしているのはこのことかね?」
杖を一振りすれば件の雑誌が現れた。の目の前にあるのは英語訳だが挿絵は同じだ。
は背中に冷たい何かが走った気がした。仕方ないという風には首を振ると
「授業後の休み時間に、寮生に聞かれたんです。もちろん事実を話しましたが。」
「・・・君はその子に何もされなかったかね?」
「え、特に何もされませんでしたが。」
それを聞いたスネイプはほっとした顔をした。
「ならばいい。気にするな。ただ気をつけたまえ、場合によっては君に悪意を
持つ者が近づく可能性がある。」