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【Harry Potter】 Missing Heart

第35章 恋愛小説


良くも悪くも24時間ずっと共にいる関係だからのちょっとした変化には気づいて
しまう。本来であれば寮監を持っていたスネイプは200人以上はいるはずの寮生に絶えず目を向けなくてはいけなかったが今は一人だ。それゆえ一人に注意の集中のしすぎは気をつけなくてはいけないと思っている。まぁ同僚のルーピンから言わせれば十分に“拘束”の域に入る注意の集中になっているというが。

一方、はスネイプがそんな事を考えているとは露にも思っていない。

部屋に大急ぎで帰ると好物のポテトチップスと最近、送ってもらったハードディスクプレーヤーに入っている曲をかけながら本を開く。の開いている本は『黄泉がえり』という恋愛小説で2003年に日本では映画化されている。

内容的にはざっくりと言えば地震を契機に亡くなった人たちが特定の地域で黄泉がえり、生者との心の交流を描いている恋愛小説だ。

そして何時しか時間は過ぎ、夕食時間の鐘が鳴った事にもは気づいていない。
食事欠食はホグワーツでは特に学生の自由意志とされているが、寮監であるスネイプは
が欠食をするとロクな事がない事は既に学習済みである。が欠食するときは決まって体調不良か情緒不安定だ。


(大方、本に夢中になりすぎて食事の鐘を意識してなかったのだろう。)


というのは予想が付いているが。


授業時間でもないのにの部屋を訪れるのは正直気が引けたが。案の定、ドアに鍵はかけられておらず彼女は日本語の本を読みながら部屋に誰かが入ってきた事も気づいていない。
はベッドの上に足を伸ばした姿勢で壁にもたれかかりながら本を読んでいる。


(曲をかけながら本を読む・・・器用な事をするな。そしてこの集中力・・・もとい他人が部屋に入った事にも気づかない注意散漫力)


目の前での学習机の椅子にかけて暫くスネイプはを観察している。
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