【Harry Potter】 Missing Heart
第26章 目覚め
そして、3日目のこと。
(泣いている。)
再び彼の目から一筋の涙が流れた。そしてゆっくりと黒い瞳があいた。と同じ黒い瞳だ。
(目を開いた・・・)
急いでナースコールを押す。そして駆けつけたのはの父親であるリョウだった。
「スネイプ先生、分かりますか?!」
耳元でが大きめの声で声をかける。彼からは声は出ない。頷く様子を見て二人に安堵の色か戻る。
「呼吸器が入っていたので声が出しづらいですが、そのうち治りますよ。」
リョウが話しかけるとスネイプは頷く。
の最悪の予想はこうして終わりを告げた。
リョウが部屋を去るとようやくに口を開いた。
「、かね?」
「そうです。」
「なぜ、ここに君がいるのだ。」
酸素マスクごしに話す呼吸は浅く辛そうだ。
「父が私を呼んだんです。」
「そうか・・・世話になったようだな。」
彼が初めて見るであろうマグルの病院の病室をみて彼はまぶしそうに目を細める
「短い夢を見ていた。」
「夢ですか・・・」
「私がまだホグワーツの学生の頃に好きだった、グリフィンドールの女子生徒だった。リリー・エヴァンズと言った。」
「ハリー・ポッターのお母さん。」
「・・・そうだ。私は大人になっても彼女をずっと愛していた。彼女は闇の帝王によって殺されたが故にその忘れ形見であるハリー・ポッターを私は守り通した。私は死ぬ運命にあった。闇の帝王の使い魔であるナギニというヘビに噛まれたが君の父君に辛くも命を救われた。だが、ナギニの毒は私の血の中にずっと存在し続けていた。今まではナギニの毒を薬で封じ込めていただけだ。」