【Harry Potter】 Missing Heart
第26章 目覚め
目覚め
今日もはスネイプの与薬と全身状態のモニタリングをしていた。はスネイプの顔を見ると目から一筋の涙が伝っていた。
(泣いている・・・?)
一度目を開いてからと言うもの2日間彼は目を覚ますことはなかった。全身状態の状態は安定しているはずだった。
は毎日彼の傍に付きそいケアをしているが一向に目を覚ます気配はない。
過去の苦い記憶が蘇る。
がまだマグルの病院で勤めていた頃の出来事だ。
病室の扉を開けた瞬間に目に飛び込んできたのは一面の血の海。患者が大血管に入っていた管を抜いたための大出血だった。その後患者は死亡している。
(一人で病室にいるのは好きじゃない。)
彼の生命はモニターが数値化されて命が留まっていることを示しているが、意識は戻っていない。
(ずっとこのままかも知れない。)
の父親であるリョウは
「もう少しして目が覚めなければ・・・CTやMRIでの脳の画像検査と脳波の検査をしよう。」
と言っていた。脳が不可逆的なダメージを受けていれば最悪、ずっとこのままだ。
「先生、そろそろ目を開けましょう?」
何度、は彼に話しかけただろう、だが戻らない。