【Harry Potter】 Missing Heart
第24章 アルバイト
「それにしても状態良くないなぁ。肝機能・腎機能も・・・心機能も悪い。不整脈も多発。よほど強力な薬物なのかなぁ。」
「で、入院はいつ?」
「今すでに外来に来ていて準備が出来ればこちらに来るよ。」
「担当医は。」
「君と同じ苗字だね、・リョウ先生だ。」
「そうですか。」
(父がスネイプ先生を連れてきた。)
の在学中の記憶を戻す。
(確か父はスネイプ先生を・・・闇の帝王に殺されかけて瀕死の状態で運ばれた彼を助けた。)
それは魔法界ではよく知られた出来事だが、ここはマグルの世界でしかも日本だ、誰も知らないだろう。
病棟の内線が鳴り、他の看護師が電話を取る。
「はい、外来からですね?JCSはⅢ-200。酸素は5リットルで点滴3本。移送はストレッチャーですね。先生と一緒に上がって来られるんですね。分かりました。受入準備は出来てます。」
(意識がないんだ。)
JCSのⅢ-200とは患者の意識がないことを意味していた。
やがて程なくしてストレッチャーに乗って患者が搬送されてきた。顔色は悪く呼吸が浅い。はストレッチャーを受け取り病室へと運ぶ。酸素やモニターが付けられる。状態は良くない。やがて、医師が他の看護師を病室の外に出すと部屋の扉を閉めた。
「やぁ、。悪いねぇ。冬休み中だってのに。」
「父さん、これって・・・」
「いや、ご覧の通りさ?彼の血液中には元々”毒”があったが、聖マンゴでは血液中から除去出来なかったんだ。冬休み中にマグルの世界の透析で取り除こうと計画してて魔法薬を切ったら状態が悪くなっちゃってね。で、こうなったと。ま、一つの賭けだ。この毒の成分を取り除かないことにはどうしようもないというわけだ。」
「ちなみに毒の成分はナギニの毒だ。こちらのカルテでは不明薬物にしてあるけど。」
ずいぶんと乱暴な方法だとは呆れる。
「で、その毒は透析でとれるもんなの?」
「やってみないと分からない。魔法界ではどの方法もできなかった。マグルの物理的手法に賭けてみようとなったんだよ。」
「で・・・、両方の世界を知る私にやれということ?」
「そういうことだ。だってあちらの事情を一切知らない者にやらせるわけには行かない。彼自身こちらで治療を受けるのは初めてだからね。」