第9章 理由 旧双黒※R15
「うーん....200ちょい」
「うわ....」
「多いな」
「何を言っている!!?」
怒鳴る男に三人が振り向く。
太宰がそれにニタリと怪しげに笑うとレイ、と彼女の名前を呼んだ。
彼女はゆっくりと太宰の元へと戻りながら口を開く。
「二階のエレベーターからここまでの廊下は一本道。全てコンクリートの壁になんの変哲もない赤い電飾に黒いリノリウムの床。約10分大凡500m。見る限りは何も見えなかったけどねえ」
「は?」
唐突に饒舌に話し始めた彼女に男は低音で聞き返す。
「見える限りは何もなかったけれど此方から扉の見えない空室が両サイドに4箇所。その右側2室目がなかなか縦広の部屋でドアは二重。中には多量の箱。一部分が出ててこれは、そうだな、コカイン。200kgが入る大きさだけど....確かめたのかな?床置きの袋もあるみたいだしねえ....ちょっと開けて見ないとわからないなあ....」
「そっかあ」
「あっでもここの隣の部屋には銃器があるのは間違いないみたいだ。互い違いに重ねた部分の空間が聴こえるから」
「エコーロケーション慣れたんだな。すげぇ筒抜けじゃねェか」
「じゃあ開けようか〜」
「なにを....っ!?」
立ち上がる二人にのんきに相槌を打つレイ。
エコーロケーションとは音の反響から周囲の情報を読み取る一種の技法である。