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ゆめのはこ【短編集】

第7章 残り香 宇井郡


貴女と話すことも、ハイルや有馬さんと一緒に過ごす時間も。

そんな幸せが続けば。

続くと思っていたんだ。



"そんなヘビースモーカーな宇井特等にはこれをあげましょう"


"あめ?"


"いちごの飴ちゃん"



お揃い、なんて舌に乗る赤色の飴玉を見せてくれて行儀が悪いなんて言いながらも頬が緩んだ。


ハイルがいなくなって、日々を憂鬱に過ごしていた。
もう、話すことなんてないと思い込んでいた。
喫煙所内なのにあんなに甘くて幸せな気持ちになれたのは初めてで。
笑ってくれる貴女を見て安心してしまったなんて言えない。



「なんで...っ...!!」



戦わなきゃいけないんだ
大好きだった、ずっと、ずっと、
あの日貴女が笑ってくれなかったらまた私は絶望していた。

幸せなんて思えなかった。

護れない、役立たずと罵られることも覚悟していたのに。

貴女の優しさが、何気ない行動が全て愛おしくて。

ハイルや有馬さんの分まで頑張って、彼女と一緒にいてあげなきゃなんて柄にもなく。
そんなこと想う筈じゃなかったのに。

きっと有馬さんは、
大切な義妹はあげない、なんて言うだろう。

殺せない

だって貴女はどんなに酷くても

どんなに自分を傷つけられても

私の大切な同僚で、仲間で


『友人』なんだから


お願い、神様

ハイル、有馬さん、もし救ってくれるなら

彼女が幸せになれるような
そんな

優しい未来を__


「喰種だから殺せ、なんて言われても殺せないじゃないですか...!!」
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