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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第43章 呪術廻戦✿禪院直哉「性悪男」


整った顔を見ると気まずくなると思い、は花瓶の花を移し替える合間も直哉は付いて回ってきた。

「ちゃんセンスないなぁ」

「学校で華道は習わなかったんです。数日そこらで上達するとも思えません」

「技術は上達してもセンスは持ってる才能やからな。間違ごうてるで」

「ヒトの揚げ足取って楽しいですか」

「ちゃんと話してるの楽しいけどな」

「………」

「照れて黙ったー」

「照れてないです。呆れただけです」

「ふーん。言い直すところみたらますます怪しいわ」

何も言い返せないのが悔しい。綺麗な花に八つ当たりしても仕方ないのでストレスの原因を心の中で消化する。他人との会話は苦手だがお喋り好きな関西弁男のおかげでいくらかだいぶマシに話せるようになった。

とは言っても離れた家族ほど打ち解けている人間はいない。

「ちゃん」

この男を覗いては。

「なんですか」

「今晩俺の部屋に来てや」

この男にとって女はただの性処理道具。トクベツになんてなれないから"お気に入り"という呼ばれ方をされ、恋だの愛だの語ることなく肉体のみ欲情する生き物。

「………分かりました」

どこまで堕ちたとしても割り切ろう。ただ快楽を教えられただけで、この先、本当に好きになった人と分かち合えればいい。

(だけど、術師なんていつ死ぬか分かんないしな……)

呪いは人から生まれて選ばれた人が祓う無限ループ。そして術師はその存在を明らかにせず、人の心が覗けないように術師は闇を纏ってその命を散らす。

とても儚いお仕事だ。

兄や女性を虐げる直哉は何を想うのだろう。術師家系に生まれ、次期当主として権力と地位を手にして、他人を見下すことが生き甲斐とするのか。

女なんて無くても生きていける。

直哉からはそういう部類の匂いがする。恋愛観なんてものはなく、見た目重視で出世欲の塊を当初から口にしていた。冷静に分析したは何だか急に虚しくなって、畳の上で体を丸め込んだ。
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