【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
「………私は、邪魔だろ?」
腕を振り払うことはしなかったが冷淡な口調。
結んでない長髪から水が滴り、垂れた髪を後ろに流すように撫で上げる傑。切れ長の目からは全てを拒絶する色が淀んでおり、異様に冷たく感じられた。
「違う。なにか勘違いしてる」
「違うもなにも君は悟に話しがあると言った。今晩はホテルにでも泊まってくると思っていたが予想が外れてしまった。すまないが今の私は君達二人を祝福する気分には今はなれそうにない。時間が欲しい。……頭が割れて可笑しくなりそうだ」
「それきっと冷水のせいだよ。ほら、温かいお風呂入れてあげるからちゃんと服脱ぎな」
は背中を向けて湯船の準備をする。しかし傑が動く気配が全くない。
「……優しくしないでくれ」
「そう言われても。心配するのは当たり前でしょ?」
「………」
「?」
熱でも拗らせているのか。
自分の気持ちも馳せる一方だが傑の体調が第一だ。いつも確りリードしてくれる傑がらしくない調子だと取扱いに非常に困ってしまう。
「……おでこ触ってもいい?」
傑は何も答えない。嫌がる素振りもないので額に手を伸ばす。
「うーん…、熱はない。頭は痛いって言ってたけど寒気は?」
「いや……」
「だるい?」
「いや…」
「吐き気は?」
「いや…風邪を引いているワケでは無いんだ。私は一人で大丈夫だから悟の元に行きなよ。を一番必要としているのは悟なんだから」
……嗚呼なんだ。
通りで会話が噛み合わないと思ったら傑の体調を心配し過ぎて重要な部分を聞き逃していた。突き放した言い方も距離の取り方も全部、悟を選んだのだと勘違いしているせいだ。
「……嘘ばっかり」
「?」
「ほっとけないよ。私が一番大切なのは傑だよ」
「!」
目を見開いた傑とようやく視線が交わったような気がして、冷えてしまった頬に手を伸ばす。
「悟にはごめんって伝えてきたの。私は傑が好きだから、ずっと傑と一緒にいたいって思ったから……。だからそんな悲しそうな顔しないで?」
は想いを伝えると傑は泣きそうなくらい顔を歪めた。