【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
背中が見えなくなる前に帰路を辿り、ちょっと借りると出てきてから傑は心配しているだろうか。後片付けも一人でやらすのは甘え過ぎというものであり、は足早に戻る。
「? ただいまー…」
何故だか玄関もリビングの明かりもすべて消えていた。傑の姿が見えなかったが、食べかけの料理もキチンと仕舞われており、音のする洗面所へ向かう。
「傑……?」
少し開いた隙間からも明かりはなかった。
シャワーが床に打ち付ける音だけ聞こえ、不審に思って扉を手で押すとガラス張りの向こうで傑がシャワーを浴びている最中だった。
「あ、わ、ごめっ………ん?」
覗きだと思って慌てて閉めようとしたが違和感が残った。もう一度確認するように覗き込むと傑は上の服は脱いでいるがズボンは履きっぱなしで、壁に手をついたまま頭からシャワーを被っている。
……どう見ても様子が可笑しい。
「傑? 入るよー…」
念のため声を掛けて入るが反応がない。強めのシャワーで音が遮られているのか、それでもやっぱり可笑しくて、床に脱ぎ散らかった上着をとりあえず拾う。
「………傑?」
バスルームの戸を開けて声を掛けるがまるで全てを拒絶している。こんな寒気の季節に滝修行でもしてるのかと肩を叩こうとしたら水が異様に冷たいことを知る。
「はあっ!? ちょ、何やってんの……!?」
傑は冷水を頭から被っていた。
急いで蛇口を止め、冷え切った体を擦るとようやく傑が意識を取り戻したように首が動いた。
「……あぁ、なんだ。帰ってきたのか」
抜け殻のような声。
「なんだ、じゃないよ…っ!心配するじゃない。電気も付けないで頭から冷水なんて風邪引くよ!?」
「あぁ、そうだね。君に心配を掛けてしまうとは私はどうかしていた。暫く此処を出ていくよ。邪魔になると行けないからね」
「え。なに言ってるの……?」
傑の話の脈絡もなくつらつらと抜け殻のように喋り、腕を掴むと虚ろな視線を寄こしてきた。