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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~






退紅色の瞳には何も映されておらず、瞬きを忘れていた悟は驚きのあまり自分が息をしていないことに気が付いた。

「……生きてん、のか?」

無表情なに合わせて腰を屈めると瞳孔が動く。自分が見えている。人肌があることを確認したくて腕が勝手にあがり、初めて触れたいものに触れたという感動が沸き起こった。

ドクン…

温かい人間のぬくもり。生きている心拍音。静かに呼吸している肺の動きもあって、心の底からホッと本音が零れそうになるとも同じように笑った。

「お前、笑えんのかよ」

「えへへ」

「死んだのかと思ったんだぞ」

「えへへ」

「………っ、ヘラヘラ笑ってんじゃねーよッ」

「えへへ」

初めて笑顔を見せた少女はバグっていた。悟が怒っても無表情どころか緩み切った笑みを見せ、痛いとか苦しいとか辛いとか表現することもできずに人という感情が欠落している。

は元々こういう性格なのか。いや違う。感情を表現できないだけで本当は悲しんでいるハズだ。毎日石碑に行くことには意味があった。は完全にバグってなんかない。

悟は衝動的にを深く抱き締めた。

「俺がいてやるからもう安心しろ。ずっと一緒にいてやる。色んなもんいっぱい見せてやる。美味いもんいっぱい食わせてやる。世の中は捨てたもんじゃねえって楽しい所に連れてってやるからもう絶望すんな。は誰にも殺させねえ。だからもう無理して笑うな」

肉体も精神も感情も無条件で捧げたいと思った。

この瞬間、悟のなかで違和感の正体にようやく気付き、を愛おしいという過程から"恋"から"愛"へと移行したのだった。

「オイお前ら。家の連中全員集めろ。話がある」

の家の門を通ると風呂場に行き、足裏の泥を落とす建前で頭から爪先まで真っ新な体を洗いあげる。バラバラにされても傷ひとつない体。は話し掛けても言葉を返さず、ヘラヘラと笑ったまま頭を拭かれていた。
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