【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
波風を立てるように煽ってきて、は余裕をなくしたように握られた指に力を入れる。
「ふっ、……あ」
「俺すぐ調子に乗るからさ。そんな色っぽい声出すなよ」
「っだ、て……そんなの知らないよ」
「のその顔好き。俺くらいになったら全部好きだけどさ、もっと俺のこと考えてよ。全部俺に集中させたい」
悟のひとつひとつの言動で体が熱く痺れてくる。これまで誰にも必要とされずに生かされてたと思ったから誰かに想われるのが嬉しかった。好きだって想ってくれる気持ちが喜びに繋がって、俺様だけどそれが悟の魅力でもあるからちゃんと受け入れたい。
「も、ちゃんと考えてるってば」
「ああ、ちゃんと伝わってる。は俺のこと大好きだもんな。俺のモノになっちゃいたいくらい」
「……モノ、じゃないもん」
「言い方気にしたんなら俺の"一部"だ。お前は不死身でも他人でもねぇし俺んなかではは、それ以外の何者でもねぇ。不安にさせたなら悪かった」
「らしくないね」
「恋すると人格変わんだよ。実際、お前をそうさせたのも俺だし」
「えっ……」
「ククッ、マジになんなって。でも一方通行だったらカラで終わって虚しいだけだろ。俺だけ不憫な想いして、何がなんでもお前を惚れさせる必要あったんだよ」
そう言って悟に抱かれた日のことを思い出す。
悟はあの時からモノにしたかったと言っていた。幼い頃は本当に視野が狭かったから悟のことなんて全く知らなかったけど、強引に手を引っ張ってくれたから初めての人を認識した。
悟はずっと想っていてくれた。先を歩くけど後ろについて行きたくなるような原動力があって、置いていかれなくてちゃんと"人"として生きようと思った。
「悟」
「ん?」
「私に"恋"を教えてくれてありがと」
人になれたから感情が生まれた。人になれたから恋愛ができた。今は目の前にいる男に感謝しかなくて、自然と嬉し涙が溢れ出た。