【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
目の前にいる傑にすべての真実を告げるとごちゃまぜになっていた感情が定まってきた。傑への未練は断ち切れる。止まらない涙も落ち着いてきて、スーッと長い息を吐きだした傑は力ない声を発した。
「そっか……。君の選択なら間違いない」
「ずっと、想っていてくれて有難う」
「ううん、感謝するのは私の方さ。君がいてくれなかったら私は術師として挫折していただろうからね。本当に感謝している。真剣に考えてくれて有難う」
深い蒸気を吐くと口から零れる白い息。
傑は何度も白い息を漂わせては作り笑いを浮かべ、葛藤や不安と必死で向き合っているようにみえる。これで良かったのだろうかと不安に掻き立てられるが、家で待つ悟のことを考えるとどうにか冷静さを保てた。
「私はもう大丈夫だ。時間は掛かるだろうけど一人でもやっていける。悟の元へ行っておやり。私は今晩帰れそうにないから適当に時間を潰すさ」
「………うん」
「。幸せになってね」
そう言って傑は階段を一段一段降りて行く。遠く小さくなっていく背中。引き止めなくても必ず帰って来てくれる。傑の言葉を信用して、またいつものように三人で笑らえる日が来ることを信じて今は待つしかない。
は帰るべき場所へと踝を返し、リビングの戸を開けた。
「………悟?」
家の中の照明もテレビも付けっ放しで手に付けていた料理もそのままの状態でテーブルに残っている。トイレの方からも音はしなくて、洗面所にもいなくて、玄関には悟の高そうな靴があり家にいることは間違いない。
……寝たのだろうか。
料理をこのままして置くわけにも行かず、適当に片付けてから一階の電気を消して二階に上がる。
「………」
そこには完全に締め切ってない扉の前。悟の部屋の中は灯りをつけてなければカーテンで締め切っているため、余計に真っ暗になっている。
本当に寝てしまったのだろうか。
「悟……、入るよ?」
は恐る恐る部屋の内側に足を踏み入れた。