【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
甚爾の罪状は重過ぎる。同胞である術師を殺したブラックリスト入りされていた人物。長らく姿を見せていなかったため死亡説の噂が流れたが、恐らくその時は穏やかな家庭と共に過ごしていたのだ。再び生きているとなれば遺族を失った家族や親族が騒ぎ立てるに違いない。
「呪力全盲だけど実力はかなりあるし」
「クズだけどの言うことなら大抵守る」
「それを逆手にとって透明人間の研究をするのはどうだろう?」
「研究?」
「宇汰君の術式で呪力量を最大収縮はできてもゼロには断ち切れなかった。だがしかし彼はどうだろう? そう考えた時、気付く点はなかったか?」
この世で呪いが見える者がマイノリティーならば天与呪縛を受ける者もごく僅か。甚爾は希少な価値のある存在できることは間違いなく、は基礎知識を捻りだした。
「呪霊は人間から漏出した呪力が澱のように積み重なり形を成したモノ」
「そうだ。そうすると呪力が完全なゼロな彼からは何も漏出する呪力がない」
「あー成程な。研究するならかなり面白そうだ。アイツは呪力ゼロなのにも拘らず五感で呪霊が認識できた。つまり呪力を完全に捨て去ることで肉体は一線を画し、逆に呪いを口に入れるような毒の耐性も得ていた。アイツみたいのが繁殖すれば呪霊を狩ることが減り、呪霊が生まれない世界になるっつーことか」
「それは理想的な桃源郷だけど高専の方針とは合わなそうだ。国に力を買われ、自分達の尊厳や権力が危ぶまれるとなると話は違ってくる」
「そこは何とでもなるさ。数年単位の話ではねぇからな。あのオッサンを生かす基盤は良いとして、上層部乗っ取り作戦の方なんだけど……」
「教職に就けばいいじゃないか」
「あ゛ぁ゛ん!? 中学上がってきたばっかのガキんちょのお守りなんて御免だねっ! そこはお前らが頑張ってよ!」
またも傑は案を提示したが悟は年下がいけ好かないのか、自分は関与しないと手を大袈裟にクロスさせた。