【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
「はぁ……ッ」
領域展開を終えたの呪印が消えると同時に疲労感が浮かび、窓ガラスが割れた向こうで大量の屍が山積みになっている。は指をつまむ手印で加勢しようとしたが腕を下ろした。
「さっすが。援護要らんね」
あざとい呪霊もいるため非術師を完璧に守りながらの芸当はいくら実力や呪力量があっても真似できない。術式無しなら格闘技は悟よりも上。最後の呪霊を鎖で弾き終え、傑は血が付いた顔でニコッと振り返った。
「お疲れ様。手を貸そうかい?」
「歩くくらいは平気。成功したよ。特級昇進だ」
傍までやって来た傑は散らばった服を手渡す。暗がりの教室からヌクッと人型呪霊が動き、見た目こそ生前に近い柳生宇汰の姿。
「!その横にいるのは……」
「私の領域に引きずり込んでたみたい。こっちの生徒は手遅れ。御免」
「いや、私の責任だ。34名確保したと思ったがその一つが呪いの小瓶だった。そのほか被害者は無事だよ。今は気を失っている」
何事も上手くいかないものだ。何らかが原因で首謀者の女子生徒がの領域の餌食となり、二人の間に僅かな沈黙が生まれる。
「……大変だね。取り込むの」
「そうでもないさ。まずは彼から取り込むよ」
傑は手を翳し、降伏した呪霊を手のひらサイズまで球状化させていく。すると同胞を取り込むのに躊躇いがみられた。
「使えるでしょ。宇汰君」
は袖を通しながら傑に声を掛けた。
「収縮・膨張術式は応用が利きやすい。呪力量を落とせるのはかなりの収集さ。彼の発見がもう少し早ければ私達と同級生になっていたのかもしれない」
「あ、そっか。いま高2だもんね」
「そう思うと非常に居た堪れなくてね」
傑は一般家庭で育った彼と自分と重ねているのか。切なげに視線を伏せて黒い玉を見詰めている。
「傑のそれって錠剤とか飴玉くらいにもっと小さくできないの? 甚爾の時も思ったけどオェ゛ッてならない?」
「大きさは慣れれば問題ないよ。それよりも味が──」
「ん?」
「いや。何でもない」
傑はバツの悪い顔を解くと黒い玉を口の中にいれ、ゴクンと喉を鳴らして流し込んだ。