【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
三階建ての校舎からその日を物語る飾りっ放しの第■回■■文化祭と掲げられた大きな弾幕。
「ちょうど首吊りした場所に弾幕降ろしたんだよね」
「あれは一度下ろした方が良いだろう。術式の付与という可能性もある。私が取ってくるよ」
「気を付けて」
傑は呪霊に乗って屋上に移動し、弾幕の紐を解いて巻き上げていく。するとさっきまで見えなかったモノが繭となって姿を現した。
「これは……」
どうやら弾幕が"隠す"働きをしていたようだ。あの繭さえ祓ってしまえば原因を取り除けるハズ。生得領域は展開されていないが一遍に消したという呪霊の想定レベル。
「傑は手ぇ出さないで!コイツ得体しれない」
「待て!アレをするなら一度、私の呪霊で向かわせるのが先決だ」
「生きた魂が混じってる」
「!?」
傑が血相を変えて一度降りてくると、下から見上げて顔を顰めた。
「……成程。微々たる非術死の呪力。気付けなかった」
「私じゃなきゃ見逃しちゃうね。繭の中だから生と死がツギハギ。でもあの大きさじゃ限定お一人名様だよね」
「変形の一種か」
傑の顔色が曇る。恐らく生魂として残っていても人間の形を取り留めている可能性は低く、それを戻す術も持ち合わせていない。
「非術師殺せる?」
「…できるなら助けたい」
「私の術式は一つの呪力しか引っ張り出せない。だから私が祓う」
これまで傑との任務では不死身の肉体を利用した展開術式は披露せず済んできた。傑は苦悶な表情をしながら長く息を吐く。
「ほとほと無力な自分が否になる」
「私が有能なの。建物も破壊できない地味な術式だけど」
「君は脅威そのものさ。不死身の肉体、厄災の反映と身代わり、呪印による向上、生と死の屍操術、そして失認。屍姫か、殺戮の天使ってところだね」
「じゃあ傑は呪いに転じてしまえば万物取り込めるんだから魔王になれるね。帝王もいいかも!」
「さて、与太話はこれくらいにして早速始めよう」
傑の一言での体にズズッ…と呪印が浮かび上がる。90度の壁を駆け上がって引っ付いている繭に触れようとした時、ガスが噴き出すように何かが漏れ落ちた。