【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
呪霊は災害が起こってからすぐ溢れ出す訳ではない。掃除をしない場所に埃や排水溝に汚れが蓄積するみたいに徐々に穢れを帯びていく。
何日か振りに3LDKの我が家に帰ると、冷房の効いたリビングルームに傑がソファーの上で寝そべっていた。
「あれ、珍し……。寝てる?」
「起きてるよ」
「おっ、吃驚した」
髪も縛らずだらけた傑の姿を見るのは珍しく、滅多にみせない貴重な寝顔を拝めると思ったが気付かれてしまった。傑は気だるげに上半身を起こすと足を投げるように座り直した。
「ごめん。好きなだけ寝てていいよ?」
「いや構わないさ。少し横になってたんだが寝てしまったらしい。ちゃんと話すのは2週間振りかな」
「あー…それくらいになるかも。今日の最高気温みた? 35度の猛暑日だって。熱くてゲロ吐きそう」
「体調管理には十分気を付けた方がいい。最低気温も25度を下回らない日が続いているからね」
家に入った瞬間、此処はオアシスかと思った。車に乗車していた時は冷房が効いていたが、一歩外へ出てしまえば熱帯地獄。日陰の下でも蒸し暑いヒートアイランド現象でカキ氷風呂や涼しい滝行でもしたいと願う程だ。
「傑。ちゃんと寝て、ちゃんとご飯食べてる?」
「あぁ…ちゃんと出来てるよ」
「ホントかなー?」
「は元気みたいだね」
傑が空けてくれた隣りに座って顔色をみる。今まで悟と二人でこなしてきた任務の数々。術師は続けるのが難しいつらい仕事。危険度が伴うにつれ恐怖や死、あらゆるストレスを経験して精神疾患を患う者も少なくない。他人への関心を薄情に割り切り、命知らずで好戦的な衝動も持ち合わせるはある意味、術師の中でも秀逸な存在だった。
「この気候がどうにかなれば元気モリモリ。早く秋になんないかなぁ」
「秋になれば少しずつ落ち着いてくるからね。それまでの辛抱だよ」
ピロン♪
「ん? 悟からメールだ」