第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑～3LDKふたりの居候～

「には敵わないな」

吐き出された台詞には首を傾げる。

「どうして？」

「君と一緒に強くなりたいのにされている気がする」

「それは考え方次第。好きな人にプレゼント使ってくれたら嬉しいもん。甚爾に"烏合"って言われてカッチーンって来なかった？」

「君にまで聞こえていたのか…」

「あの時は完全に敵と見做してたからね。難しい言葉使ってたからさっき調べちゃった。傑はさ、物量最強の長所を生かさなきゃ！死んだらもっと強くなれる！！」

死ぬ=負けというニュアンスで傑を励ます。すると夢中で疎かになっていた意識が傑のキスによって呼び戻された。

「有難う。あの男に二度と烏合呼ばわりされないために私自身を鍛え上げ強くなりたい。皆を守れるように、君達に置いていかれないように。特に悟には──負けたくない」

親友としてライバルとして傑は心新たに誓いを立てる。諦めない限り力にかわる。と傑は見つめ合って微笑みあうと唇を重ね合わせた。

「ふ、……はぁ」

「。泡を流そうか。次は君の背中を洗ってあげたい」

もっと触れたいと言われているようで、シャンプーを流し終えると傑は素手でボディーソープを手にとった。

「背中だけ見せてくれるかな？」

「わ、分かった…」

目の前には鏡もあり、恥ずかしい場所が見えないように少しずつずらしていく。水で濡れたタオルはピタリと肌について、変な所が出っ張ってないかと心配になった。

「。君が無闇な声を出さなかったら私の理性は弾けない。の背中、綺麗だね」

「あり、がと…」

手のひらの温度がダイレクトにぬめりを利かして洗ってくる。すごく熱くてドキドキして意識が遠退きそうになる。

ガタッ…

「前は触らないよ」

「で…、でも…っ」

「いいから座っていて。ちょっと髪退けるね」

「は……うぅっ」

背中を洗っていた手は首や肩、脇の下を洗ってくる。

「くっ、くすぐったいよ……っ」

「あーすまない。はくすぐられるのが苦手なのか」