【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
傑の裸をちゃんと見るのは初めてだ。細身で手足の長い長身の悟に比べ、程よい腕の太さといい、逞しい大胸筋といい、男らしい色気を無意識に感じ取れてしまう。
「そんなに見詰められると照れるな」
「え、あっ……ごめ」
「良いんだよ。君に意識されると気分がいい」
そう笑った傑はズボンに手を掛け、流石にその瞬間まで見れないとは慌てて背を向けた。もう終わったよと背中を叩かれると腰にタオルを巻いた傑が立っていた。
「さてどこから洗おうか。まずは頭かな?」
「傑も洗うの?」
「私は体だけでいいよ。、椅子に座って。私がしてあげたい」
洗髪だけなら問題ない。はちょこんとお風呂場の椅子に座り、程よい力加減で髪が洗われていく。
「そういえば私って何日間寝てたの?」
「丸一日と少しだよ。あの男は今、悟が匿っている」
「……甚爾のこと、好きになれない?」
"あの男"と呼ぶ甚爾に傑は敗北した。呪力が全くない天与呪縛を受けた非術師とも呼べない例外の超人男。意識が遠くなる中、悟は任せろと言っていた。
甚爾だけでなく理子達もどうなっただろう。
「好きになれるかなれないかは未だ区別が付かない。彼は私達の術師を殺した罪人だ。君の恩人だからとはいえ、そう簡単には許せるものでもない」
「そう…だよね。それでも有難う。私の我儘で目を瞑ってくれて」
正義感の強い傑は甚爾が生き続ける選択を許した。本来なら今すぐに処刑したいだろうに、を愛したばかりに傑は同罪を被ることを選んだのだ。
「理子ちゃんと黒井さんは?」
「彼女達なら心配ないよ。星漿体を知っている人間はすべてが根絶やしにしてしまったから、家だけ引っ越して二人仲良く暮らしている」
「天元様は……?」
理子が存命しているとなれば同化は失敗。目覚めた場所も空気も澄んでいて、普段通りの生活が送れていたからうっかり重大なことを忘れていた。
「結論から言うと、天元様からのお咎めどころか何もなかった」
「マジか」
「どうなったのかは不明だけど脳筋の話からするに恐れていた"暴走"はなかったようだ。硝子も私達に脅されたと言えばいいのに自分から着いてきてくれた。ホント参っちゃうよね」
嬉しいニュースなのに気疲れがドッとやって来た。