【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
何も知らず穏やかに生活している人達が羨ましいと思っていた。けれどそうでなかったら傑や悟に出会えなかった。だからこの奪うだけの力を守る力に変えたかった。仲間を失い、傷付いて、苦しくなることは沢山あるけれど全てが全て呪いたい日常じゃない。
「えいっ」
「!……。不意打ちはいけないよ」
傑に向けて投げると白いシャツが濡れ、自分にはない筋肉質の逞しい体が浮き出る。
「水風船は投げて遊ぶものなんでしょ? 浮かべても綺麗だけどこっちの方が断然面白い!」
「全く。濡れても知らないからね」
「当てれるものなら当ててみな!ブヘッ」
「あ…すまない。顔に当てるつもりはなかった」
「上等」
壁で弾けた水しぶきが掛かり、は顔を拭いながらニヤリと笑う。武器庫は浴槽に浮かべた分だけあり、の挑発に乗っかったように傑も応戦した。
広い浴槽だとはいえ逃げる場所も限られており、お互い憐れもないほどビチョビチョになる。
「もう水風船はないみたいだ。勝敗は?」
「ドロー。手榴弾なら死んでた」
「ハハッ、そんな遊びもしたな。懐かしい。……、この責任はどう取ってくれるんだい? 私もそこまで理性は強くない」
傑は声色を落として触れてきた。撫でられた場所は温かく、すっかり体が冷えてしまったんだと思い知らせるような傑のぬくもり。お互いの肌が透けてみえてしまい、責任……理性……という言葉が扇情的を意味した。
「無理強いはしたくない。君がそのつもりなら構わないが、できるなら」
──最後まで触れたい。そんな熱い視線を絡ませ、触れ合いそうな距離まで迫ってくる。
「た、試さないでよ…」
「君は男を煽る天才だ。駆け引きなら十分成立している。君の気のある素振りに振り回されて、私はいつも君を追いかけているんだ。君を抱きたい。今すぐに」
「………、」
応えようにも分からなくて切れ長の目とジッと見つめる。理性と戦うような雄の帯びた瞳をしていて、は我慢できなくなって瞼を伏せた。