【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
自分が生きていることで不幸になる人間。そうやって周りに言われ続けてきた。殺戮という答えのない衝動に彷徨い、他人を愛することでソレを無理やり肯定しようとしていた。
傑と初めて教室で出会った時、今まで自分が接してきた中にはいない興味対象だった。
「。私は君がやったことを咎めるつもりも称賛するつもりもない。君は仲間思いのやさしい子だ」
「傑……」
「私はここ最近、君に助けられている。多くが犠牲になって矛盾しているのに君には感謝しているんだ。……私の願いはいつもの君に戻ってほしい。必要以上に苦しむことを考えないでほしい。今は悲しいと思うだけで君は十分報われる」
事実を認識し、悲しみや怒りや恐怖に向き合っているからこそ傑は無暗に責めたりしなかった。寄り添い合って温もりを分け与えられ、傑は優しい言葉を選んでくれる。
「言ってることバラバラだよ」
「ホントそうだね。自分でも笑ってしまう。君に初めて"お地蔵さん"呼ばわりされたことを思い出す」
「あれは……ごめん。厭味じゃないんだけど」
「いいや、君の目は正しかった。本当にその通りだ。私は術師としての秩序に自惚れていた」
は呪術によって多くの非術師を殺した。呪術は非術師を守るためにあるんだと傑は唱えていたが、が殺戮したことよりも自身をことを思って救済の言葉を投げ掛けている。
なにかが晴れた顔付きだった。
「病み上がりの君に自分のことばかり話してしまってすまない」
「ううん。全然」
「あと一つ聞いてもいいかな」
「…なに?」
面持ちをかえた傑の態度に少しばかり緊張が走る。
「あの男はにとって何者?」
「………」
悟にも同じ質問をされたことを思い出す。甚爾は二人にとって起爆剤なのか、傑の目は真剣で本気で気にしている様子だった。
「それは悟にも言ったけど」
「悟は適当だからね。君の口から確認したい」
「本当に何でもないよ。私、小さい頃の記憶とかお腹にいた頃の記憶が残ってるの」
「!」
傑は驚いた顔をしたと同時に、過去の様々な残虐非道な研究と繋がってしまい顔を悲痛に歪めた。