【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
治療台に寝かされた傑と黒井はただちに硝子の治療を受け、理子は片時も離れたくないと黒井の手を握っている。
「甚爾も…」
「筋締めときゃ問題ねえ。優先すんのはそっちだろ」
「本人が良いってんだ。、本気か?」
悟や呪術界にとって甚爾は処刑確定案件。の我儘で甚爾が生かされている状況だ。
「同情するつもりじゃないけどグレるのも当然。婿入りしたって言ってたけど家族は今はどうしてるの?」
禪院家を家出する理由ならいくらでも思い付く。甚爾は術師殺しの異名を持ち、これまで暗殺等の荒事で報酬・賞金を得て生活してきた。惹かれた女性と出会い、婿入りしたのならそれなりにまともになった証拠とも伺えるが……
「死んだ」
「子供は作らなかったの?」
「…………」
甚爾はうつろな表情になって黙り込む。
「家族がどうとか知るか。子供がいたってロクに育ちゃしねぇよ」
「アンタは黙って」
「マジレスしたってどうもこうもねーよ。落ちこぼれからは落ちこぼれしか生まれねぇ。腐ったもんも同意義。だからコイツに何聞いたって──」
「悟。人の話をもう少しちゃんと聞きなさい」
が叱ると悟は口を紡ぐ。だが悟はすぐさま頭の回転を切り替え、の言葉を右から左へと流して席を立ちあがった。
「なら俺は関係ないね!さっさとコイツを売り飛ばそう。匿う価値が全くない」
「前言撤回。お前は成長出来てねぇ、中身は5歳児の甘ったれだ」
「あ゛?」
部屋を出て行こうとした悟は足を止め、聞いて呆れたように甚爾は大きく分かりやすい溜息を吐いた。
「少しは丸くなんねぇとマジで見捨てられるぜ。お前は勘違いしてる。はお前が強いとかルックスが良いから構ってんじゃねぇ。なんで叱られる? なんで怒られてるって考えたことねぇか?」
「は?死にぞこないが何様?」
悟の明らかに挑発する態度で手を広げた。
「俺はクズだがお前はそれ以上のクズだ。仲間を大切にしたいなら周りとの協調性を持て。ワンマンだけじゃどうにもなんねぇ。天涯孤独になりてぇならこれ以上は何も言わねぇよ」
甚爾は自分の言いたい事だけ告げると、ボスッと深く背もたれについた。