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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~



「途中に女性が1人いたハズだ。彼女はどうした」

傑は質問を続け、男は荒涼とした態度で応え続ける。

「ん?あぁ、あのメイドか。多分死んでる。生かす気も殺す気もなかったけどな。運よきゃ生きてんじゃね?」

「黒井……っ」

「そうか。やはりお前は死ね」

グォアァッ

「烏合だな」

傑は理子の身を呪霊で隠し、守りながら攻撃を仕掛ける。男の異常な身体能力は天与呪縛。生まれた段階で本人の意志とは関係なく課せられるもので、この男は呪力を完全に失った代償としてフィジカルギフテッドを得た超人。

(違和感の正体は完全なる呪力全盲)

天与呪縛で身体能力が底上げされた人間は数人報告がある。ただし、呪霊が見えなくても非術師は微力な呪力を有しており、この男のような事例は聞いたことがない。故に完璧な透明人間。通りで呪力に反応する天元様の結界を素通りできた訳だ。

(いくら身体能力が高いといえど悟が敗れるハズがない。呪具にトリックがある筈……)

男は物を格納できる呪霊を体に巻きつけて戦う呪具の使い手。外にいれば呪霊がセンサーに反応してしまうため、呪霊自らの体を格納させてサイズをおとし、それを己の腹の中にしまうという発想力。やり口は狡猾だが相当頭がキレる。

──高専から応援が来たところで加勢にもならず、あの格納呪霊は有能だが雑魚。

「まずはあのペットを引き剥がす」

「。私に考えがある」

「なにコソコソ喋ってんだ。降参するなら今のうちだぞ」

呪印によりの身体能力も跳ね上がったが男の方が格上。得体の知れない呪具をいくつか持っているのは明白であり、不死身の肉体が一時的機能しなくなる可能性もあるが上等。

「私は一定以上の呪力を持ったモノに触れることで発動条件を満たす。けど、コイツはかなりの貪食でね。衛生観念と億劫だから使う機会がなかったんだけど血液にも有効だ。そして、こっちの目は呪いじゃなく対人向き」

「あ?」

術式情報の開示により能力の底上げ。本来の戦い方であれば呪力全盲の相手に対して発動条件を満たさないが、血液等も条件下に含む貪食気質。

「相手が悪かった。もう終わりだよ鼠。──…"太鼓妙眼(たいこのみょうがん)"」

男は突如目の光を失い、指先をピクリとも動かさなくなった。
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