【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
粋な計らいに息を呑んだ。だが同時に察した。夜蛾から護衛任務を受けてからラグがあったことに。
「担任からこの任務の話を聞かされた時、あの人は"同化"を"抹消"と言った。あれはそれだけ罪の意識を持てということだ。うちの担任は脳筋のくせによく回りくどいことをする。を除け者にしてしまったけど、君と会う前に悟との話し合いは済んでる」
「ククッ、男二人で悪巧みなんてホントロクなこと考えないんだから」
の口元が一気に綻んだ。悟と傑は親友同士だが口を開けば何かと衝突していた。悟は強者優先、傑は弱者救済を叫ぶ。そんな性格真反対の二人をみて、は大丈夫なのかと夜蛾に掛け合ったが男は"行動"で示すと語られた。
男の友情なんてものは理解できないが、今回、そんな二人の意見が一致した。
「私達は最強なんだ。理子ちゃんがどんな選択をしようと君の未来は私達が保障する」
「…………」
自分本位な悟の心の変化。そんな無茶なことを提案した傑。は面白おかしくて、嬉しくて、幸福感をぐっと噛み締める。
「わたしは、」
制服のスカートをギュッと握りしめる幼気な少女。
「私は……生まれた時から星漿体(特別)で、皆とは違うって言われ続けて、私にとっては星漿体(特別)が普通で、危ないことはなるべく避けてこの日のために生きてきた。お母さんとお父さんがいなくなった時のことは覚えてないの。もう悲しくも寂しくもない。だから同化で皆と離れ離れになっても大丈夫って思ってた。どんなに辛くたっていつか、悲しくも寂しくもなくなるって」
理子の心の叫びが絶え間なく震え、大粒の涙が頬を伝う。
「でもっ…、でもやっぱりもっと皆と、一緒にいたい。もっと皆と色んな所に行って……っ、色んな物を見て……、もっと!!」
強がっていた箱が壊れたように感情が爆発し、嗚咽を吐き出す恋も未熟なまま旅立とうとした純粋な少女。はもらい泣きの涙を流したまま、穏やかな表情をする傑と視線を合わせた。
覚悟は決まった。
「帰ろう。理子ちゃん」
「…うん!!」
ダンッ
突然、こめかみから血飛沫が飛び散った。