【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
傑は悟への嫉妬を滲ませ、想いを断ち切ろうとしていたが僅かな可能性に懸けて居候を選んだ。仲良く三人で話していた時も傑は笑顔の下で、悟のことを疎ましく思っていたのだろうか。
「幼い頃といっても、まともに話したの年長過ぎだよ?」
「えっ?」
「またアイツ適当なこと言ったのね」
傑に嘘を吐いて何のメリットがあるというのか。いい加減な悟のことだからメリットもクソもないだろうが、そのせいで色々語弊が生じてしまうのも困る。こんなことで友情崩壊はないと信じ、訂正を試みる。
「ちなみに悟からは何て聞いたの?」
「生まれた時からご近所付き合いをしていた。一緒にお風呂にも入った仲だった。思春期を迎えた時はから離れて行ったけど落ち着いたらまた戻ってきたって……。悟の妄想かい?」
「ん゛ー……御免。そんな美しいものじゃない」
悟の捏造具合にも程がある。しかもいかにも自分ではなく、のココロの変化が描かれた情景に悪意を感じる。
「が不本意でなければ聞かせてほしい」
「うん。話しても良いけどあんまり気分良い話ではないかも。私の出生あんまり知らないでしょ?」
「大変だったっていう事は聞いたけどそれ以外は」
傑は呪術師であるの兄・雄星とその妻であるみづきと面識があっても内容が内容だけあって、身内の間でも秘匿事項。悟にだって全てを打ち分けている訳じゃなかった。
「私の出生と同時に両親が祟り殺されたってことは前にしたでしょ?」
「ああ。君は呪われた産物でそれ故周囲は自身に災いが降りかからないよう丁重に扱ったと。それが奇妙な由縁だと思っていたんだが」
「それは悟が撒いたハッタリ。以前の私は自尊心が低い子供だった。不死身の肉体を研究(呪殺)するっていうより拷問殺人を幾つも受けてた」
「ッ……。当主が命じていたのか?」
その問いには首を振る。殺害を繰り返すだけでなく、不必要なほどの苦痛。は目を細めて、懐かしさを思い出すように当時の様子を語った。
「色々されたけど、悟が助けてくれた奴はある意味一番ヤバかったかな」