第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑～3LDKふたりの居候～

「………。はたまに恐ろしい発想を口にするね」

「そう？」

現実に望んじゃいない最悪のケース。それは冗談半分でが口にしたと傑も分かっている顔付きだ。

「傑はさ、非術師(盤星教)のやっていること許せる？」

「人ひとりの暗殺を目論み、天元様の同化を阻む。許されないのは一部の人間だけだ。今回の一件で見過ごしていた呪術界も盤星教の解体に踏み出すだろう」

「トップを根絶やしにしないと似たような宗教団体がまた幾つも設立される。呪術界と一緒だ。見える見えないの特徴の違いだけ」

「も悟と同じで上層部が嫌いなのかい？」

「そりゃ嫌いだよ。危険物は死刑執行！！　世界の均衡とか偉そうなこと抜かしてるけど結局自分ら存続のため。自分達でコントロールできない存在だと知ったら血の気が引いてる」

の不死身の肉体が研究される裏で上層部が糸を引いていたのは間違いない。封印の類ならこの世から抹消されていただろうが、研究はあらゆる呪殺によって行われていた。

「上層部の固執した時代錯誤はすべて正しいことだとは思わないが、やはり呪術は非術師を守るためにある。弱者故の尊さ、弱者故の醜さ。そんな彼らに負の感情を背負わせるには荷が重すぎる」

「術師がそれらの責任を背負うっていうの？」

「その為の力だ。見えないモノだからこそ人々は平穏でいられる」

「いやいや、見えても見えなくても超能力やエイリアン、オカルト分野と同じだよ。例えば呪術界の存在が明るみになれば助けられる命、仲間が増えるかもしれない。けど運だよりを無しにして考えれば──…弱けりゃどっちも死ぬ。術師も一人の尊き命ってやつだ」

「……だから君は灰原にきつく当たるのか？」

灰原は傑を慕う一年下の後輩君だ。傑と同様、非術師家系で育った一人で術師には珍しい明るく元気な性格で愛想の良いが、疑うことを知らない危なっかしい男の子。

「だってあの子、早死にしそうなんだもん」

「言い方ってものがあるだろう」

「別に傑みたいに好かれたい訳じゃない。それに厳しくする理由はちゃんとある。ってゆうか傑も灰原君のことディスってるよ」

「あ。」