【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
「傑となに話してた?」
「なにって?」
「だからそれを聞いてんだろ。楽しそうに笑ってた」
「あーなんだろ。大きなワラジムシいたのよ。すっごい大きなワラジムシ」
「そんな奴いたか?」
「いたよ。ほらあそこ。アンタはどんどん先に行き過ぎ」
「人いねぇ場所から見てんだよ」
悟は何を言っても減らず口を叩き、こんなところで口喧嘩をしたくないので口を慎む。深海、黒潮、サンゴ礁、大海へとそれぞれ館内エリアが設けられており、いつの間にか傑達と逸れてしまい別行動になっていた。
「…!」
「……いいだろ。こんくらい」
隣に立っていた悟に手の甲を撫でられ、指先が絡む。視線を合わせない所を見ると悟の横顔から若干照れ臭さが垣間見える。家ではイキナリあんなことをしてきたのに何故手繋ぎの方で恥ずかしがってんだ、と心の中でツッコンでしまった。
家族連れや恋人、夫婦、友達同士、勿論それ以外の人達も沢山いる。そんな中、手を繋いだり肩を寄せ合うのは何も不思議な光景でもないわけで、オーシャンブルーの暗闇空間の下で右手のぬくもりをそっとして置くことにした。
「わぁー、迫力すご。でっかい鮫もいる」
「こっちに全然泳いでこねぇ。ビビってんのか?」
「悟が単に嫌われてるんじゃない?」
「あ?」
「ここで待ってたら来てくれるかなぁ…」
大水槽のなかで悠然に泳ぐ巨大なジンベイザメを視界に捉えた。遠くからでも一際目立ち、迫力のある全長。こっちに姿を現してくれないかと待っていると。
「。いまシて?」
悟は自分の唇に人差し指を当てて、今此処で約束を有言実行させようと言ってきた。
「でも、」
「いまがチャンス。誰も見てねぇ」
「そう言われたって……」
はチラッと周りの視線を追う。確かに悟のいう通り、周囲に人が少なければ水槽を泳ぐ魚たちに夢中だ。がし易いように顔を近付けてきた悟はニヤニヤ笑っており、は覚悟を決めて触れるだけのキスをそっと送った。