【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
「ぃ゛い゛や゛──!!!」
「おっ、おやめください!!」
許可なく触り、笑顔をディスられた二人は静かに息を揃え、気に食わないとばかりに理子の手足をギリギリと引き伸ばしにかかった。黒井がいたことで理子の気性も収拾できたが突然学校のことを思い出し、我儘を通すハメに。
判断を仰いで担任の夜蛾に連絡を取ったが、天元様のご命令で「天内理子の要望には全て応えよ」との事だった。
「──天元様は随分慈悲深いお方なんだね。結界術しか干渉しない天然記念物かと思ったのに」
「チッ。ゆとり極まれりだな」
「そう言うな二人とも。ああは言っていたが同化後、彼女は天元様として高専最下層で結界の基となる。友人、家族、大切な人達とはもう会えなくなるんだ。好きにさせよう。それが私達の任務だ」
「…………」
「理子様にご家族はおりません。幼い頃事故で…。それ以来、私がお世話をして参りました。ですからせめてご友人とは少しでも──」
「それじゃあアナタが家族だ」
「………っ、はい」
目頭や鼻の頭を熱くする黒井。二人の関係性は深く語られなくとも察した。理子だけでなく黒井にとっても大切な人なのだと。
二日後にはあの少女は天元様と同化し、この世の出会った人達と二度と干渉できない世界へと殉ずる。命を狙われ危険な状態なのは百も承知だが、大切な人達と残された時間を有意義に楽しく笑って過ごしてほしいと思うのは当然。
傑だけでなく、悟もも最後の在り方を汲み取れないほど冷酷非情でもなかった。
「お嬢様学校というだけあって広いね。探検したいなー」
「は目立つ。潜入向きじゃねぇ」
「まあ大丈夫っしょ。私の術式で一基は無敵」
「私の放った呪霊も今のところ問題はない。冥さんみたいに視覚共有ができればいいんだけどね」
「あとは掲示板か。傑、何か見つかったか?」
「自分の携帯でも調べてみろ」
「携帯じゃアクセス出来ない所かも知んないだろ?」
「……見てないだろ」
「みてこれ真っ赤」
「俺まだ余裕」
「は日頃から充電する癖をつけないとね」
の携帯は使い物にならないので、傑が腰を下ろした横でノートパソコンの画面を覗き込んだ。