【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第39章 呪術廻戦✿虎杖悠仁✖両面宿儺「篝火」
『では早速だが…──』
「そーいや体ん中に宿儺がいる感じが全然しないんだよ。これってやっぱ形代のせい?」
悠仁は自分の腕や腰からペタペタと触り出した。特に頬っぺたの辺りが気になるのだろう。ひとりでにムニムニしている。
「薄っすらとはあるはずよ。憑依からの乗り換えだけれど完全に解く力は私には無いもの」
「ふーん。でもまあ煩いのが居なくなってちょっと気分良いかも!」
『忌々しい。この俺を虚仮にしおって』
「え?なんて?」
宿儺はベッドではなく、その横にあったテーブルの上に尊大な態度で腰を乗せていた。呟いた声を聞きとれず、普通に聞き返した悠仁に対して眉尻を僅かにあげる。それに加えて二度の無視。
宿儺は己の感情に流されず、冷たい目でソレを指した。
『乾くぞ』
「へ?ああちんこ……ってコレ全部お前のせいだかんな!お前が横からゴチャゴチャうっせーからお預け食らってたのにぃッ」
『根元を咥えて悦ぶ阿婆擦れだ。まずは手解きに口を湯掻いてやる』
おもむろに立ち上がった宿儺はの両脇を悠仁と挟むように腰を下ろした。どうやら全てを邪魔するわけでは無いらしい。
宿儺は何も言わず、の顎に手が添える。
「えっ、おい。それってまさか……」
『小僧。よく魅ておけ』
背面越しからの接吻。顔だけ向かせた唇同士がピッタリ重なり、息も止まるような自然な動作。お互い長いまつ毛を伏せ、世界観に浸るようにも宿儺も瞼を閉じている。
「嘘、だろ……そんな…、……」
悠仁は動揺を隠せなかった。手を伸ばせば届く距離なのに呆気なく恋人の唇を奪われる。
は無抵抗のままキスを受け入れ、重なった弾力が元に戻っていく。薄っすらと瞼を開き、至近距離で視線を交わす宿儺とに妙な気配を感じ取ってしまう。
『悪くない素材だ』
「キスして満足したつもり?」
『味見だ』
妖艶な笑みを浮かべて、宿儺はべえっと舌を突き出した。も薄っすらと口を開きソレを受け入れるように自分から顔を近づける。
悠仁は濃厚に交わされる接吻に声を失ってしまった。