【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第38章 呪術廻戦✿七海健人「夜の蝶」
ホテルのチェックアウトは11時までだが今日も仕事。
も有給ではなく出勤日だったはず。
「さん。さん、起きてください」
「ん……んぅー…」
眠たそうに伸びる無防備な声。
クッソ可愛い。
ともかく。
二人揃って二日同じ服なのは色々と面倒だ。
気付かれないかも知れないが気付かれるかも知れない。
特にに関しては。
複数の男性社員から好意的に声を掛けられているのは察していた。
若人から上司に至るまで。
七海は心を鬼にして、の体を揺すり続けた。
「いま5時半です。ここから一旦自宅へ戻り、支度して出勤するとなるとそこそこいい時間になります。早く起きてください」
七海はがもぞっと動き出すと床に散らばった衣類を拾いはじめた。
「七海、くん……?ハッ…──いま何時って!?」
「5時半です。ここは私が片付けますので早くシャワーを」
「えっ、あ……ありがとう!おねがいっ」
は近くに置いておいたバスローブの存在に気付き、適当に羽織ってバスルームへぱたぱたと急ぎ足で消えていく。
七海は上着まですべて着終え、ベッドの上に集めたの服を畳んでいく。
グラマーカップの刺繍が入った花柄のブラジャー。
無意識に記憶の中に刷り込もうとする。
妙な気を起こす前に無心で畳み、ノックをしてから畳んだ服を目につく場所に置いておいた。
数分すると、すっぴんで髪が濡れたままのが驚いた顔をしていた。
「な、七海くん、まだ居たの?時間大丈夫っ!?」
「金とメモだけ残して帰る男にはなりたくありません。それより髪の毛、ちゃんと拭きましたか?」
触れたい気持ちを抑え、近くまで寄る。
昨夜の情事やすっぴんを見られ、色々と恥ずかしいのだろう。
目がめちゃくちゃ泳いでいる。
「っえ、あぁ……自然乾燥?」
「まあどちらでも構いませんけど。風邪を引かないでくださいね。もう出ますか?」
「うんっ、早く帰らないと!」