【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第38章 呪術廻戦✿七海健人「夜の蝶」
色の濃いスーツで着飾ることが多い。
色の薄いスーツは膨張色で何となく避けている傾向があった。
自己主張の激しい豊満な膨らみ。
ヒップに関してもそうだ。
油断するとうっかり目で追ってしまう。
今日はチャコールグレーのジャケットスカート。
ボタンがはち切れそうな白のブラウス。
「っはぁ…ン」
なぞった手のひらが頂きまで到達した。
ジャケット越しからでも反発する弾力とハリ。
片手では収まりきらない。
指先を根元までしっかりと食い込ませ、軽く、揺さぶる。
久々の感触。
男には到底実現しそうにない神秘的な柔らかさ。
嗚呼が出そうな喉をぐっと抑えた。
「……涙を流す気なら最初から誘わないでほしい。止めますか?」
気分は高まっているのに口から出たのは淡然とした言葉。
の下まつ毛が薄っすら湿気を帯びてた。
キスは目を開けながらするのが自分の中では当たり前だった。
目を開けながらすることに慣れていた。
時折、確認していたつもりだった。
喜んでいるのか。
恥ずかしがっているのか。
感じてくれているのか。
どんな顔をしているのか気になった。
御託を並べたが、結果的にキスに酔って瞼を閉じていた。
「続けて……」
「止めるなら今のうちです。ベッドに入ったら抑制できる自信がありません」
口から出た瞬間後悔した。
らしくなかった。
はそれを聞き流すことなく笑ってきた。
「七海くんも、そういうことあるんだ」
「私は機械じゃない。ここに来たのだって単なる気紛れなんかじゃない」
「…?」
一夜の相手が欲しかったのならそれまで。
アルコールのせいにできるだろう。
二度目は同じ過ちを犯したくない。
二度やれば三度目も同じ。
そして飽きるまで肉欲だけを交わす。
「やっぱりアルコールのせいにしましょう。貴女がこんなに色っぽくみえるのは強い酒を飲んだからだ」
これ以上無駄口を叩かないよう自分の唇を塞ぎにいった。