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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第38章 呪術廻戦✿七海健人「夜の蝶」


七海はの好意的な視線に何となく気付いていた。

「──ひゃっ!…ンぅ」

ホテルに入ってやる事はひとつ。
裸になって貪る行為を行えばいい。
七海はオートロックが閉まると同時に後頭部に手を添え壁に押し付け、の唇を奪った。

ヒールの高い靴を履いているせいなのか、絶妙ないい角度だった。

「ふ…っぁ……七海、く…っんぅっ」

主張の激しい赤い口紅。
ぷるっと潤いを乗せたリップグロス。
べっとりと口の周りについて最悪だ。
それに後味の悪い化学薬品の独特な口当たり。
色気もへったくれもない酒臭い口臭。

ホント、酒を飲んだ後にキスなんてするもんじゃない。

「クソッ」

萎える要素は数多く存在しているのに離せなかった。
それとは真逆に体の芯が瞬く間に滾ってくる。
これが男の性なのか。
それとも別のなにかなのか。

二年前はこんな派手なメイクじゃなかったのに。

「相手は誰でも良かったんですか?」

派手なメイクをして男を誘惑しようとする。
魂胆は丸見えだ。
顔を塗り固めなくたって外見はそこそこ評価している。
前から意識はしていた。
あどけなく笑う声を探すくらいには。

「今度から男を誘うときは薄化粧にした方がいい。不倫相手なら尚更…。ワイシャツについた口紅は落ちにくいんです。というか落とす行為が面倒臭い」

綺麗に結われたバレッタをそっと外した。
髪の匂いは以前から知っていた。
意図的に嗅いだわけじゃない。
そこに頭があったから嗅覚が拾っただけだ。
ただこうして指で梳いたことはない。
唇のように女性らしい柔らかさだと思った。

お互い酒臭いのも同じ。
うんざりするのに止められない。

「ぁ…っン…」

壁に背を押し付けたときに掴んだ細い手首。
抵抗はこれっぽっちもない。

バレッタを上着にしまい横っ腹をなぞると、熱っぽい吐息が漏れた。
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