【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第36章 呪術廻戦✿五条悟「飴玉みたいな瞳」
再び悪夢が蘇る。
* * *
あれはそう、中学校最後の卒業式だった…──
「3年4組、浅野たけし」
「あぁいっ!!」
俺に続けと言わんばかりの気合いの入った返事。のクラスメイトが一人ずつ呼ばれ、壇上で卒業証書を授与されていく。予行演習の通りに進み、いよいよ自分の名前が呼ばれる瞬間が訪れた。
「」
「はい!」
注目されるのは一瞬だけど、自分の名前が呼ばれて緊張した。手と足が一緒に出ていないとか、スカート捲れていないかとか、髪の毛が変じゃないかとか今さら手遅れなことを考えてしまう。
学校生活は結構楽しめた。男子だったけど、趣味の合うゲーム友達もできてオンラインゲームでは共同プレイして殿堂入りを果たした。
男子のように将来ゲームに携わる仕事は考えなかったが、別々の高校へ進学してもまた一緒にゲームしようなって約束をして……
「きゃあ ああ あ あ あ !!!」
「!?」
差し出された賞状を受け取ろうと右手を出した時だった。
女子の途轍もない悲鳴を発端に次々と参列者が騒ぎ出した。
「なッ」
先程までの空気と違った。
体育館全体がお化け屋敷に入ったような、薄気味悪い暗色を漂わせて…見ちゃいけないものが そこ にいた。
体育館脇の扉から一面に滴る血潮。
体を貫通し、串刺しにされたクラスメイトは無残に薙ぎ払われた。
はふと、ゲームのやり過ぎでダークファンタジーでも見てるんじゃないかと思った。
「ぅ わっ、ヒ…ぎゃぁああ あッッッ!!!」
また数人やられた。
刺して抜いたらドロォ…と血を垂らして倒れていく。
「逃ゲロ 逃げろぉおぉおおお──」
日中の太陽も消え、暗雲に満ちた空。
何かが起こっているのか視界で捉えることができても、頭が…思考が、追い付かなかった。
「 えっ…?」
逃げ惑う人々。
凄惨な光景。
壇上の上で何もできず傍観してたら、お腹のあたりが重くなった。