【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第36章 呪術廻戦✿五条悟「飴玉みたいな瞳」
五条の口から、ふわりと甘い香りを漂った。
口だけしか使えない。
──つまり、唇と舌を接触させなければならないということ。
俗にいうディープキス。
「何もしなかったら僕が先に溶かしちゃうよ?」
「だ、だって…」
ゲームを理解したは頬を真っ赤にさせて、そっぽを向いた。
「狼狽えちゃって、そそるね~。もう何十回と上も下も舐め合ってるのに、処女みたいに恥ずかしがるんだもん。ますます愛おしくなっちゃうよ」
「っ、別に、恥ずかしがってなんか…っ」
「照れるなよ。でも嬉しいな。こうしての方から意識的にキスしようとしてくれる。このゲームを思い付いた僕って天才! いーっつも僕の方からだったからさ。たまにはこーいうのもいいよねっ」
ゲームが開始されて唇は触れあっていないのに、五条の口元は緩みっぱなしだ。早く仕掛けて来ないかと五条は待ち遠しいとあまりに鼻先をすり合わせてきた。
「は焦らすのがお好きなのかな? 唇をそんなに熱心に見つめられると、高揚してヨダレがどんどん溢れてきちゃう」
唾液を飲み込む喉ぼとけの音。
そして、カランっと口の中で飴玉が歯に軽くあたった音。
「ほ~らぁ、早くしないと飴玉無くなっちゃうよ?」
煽りをやめない五条。そんなこと言われなくても分かっている。何もしなければ飴玉が溶かされてしまう。早く救出しなければ──。自分が敗北すれば、また五条にトンデモナイことをされる。
意を決したは五条の胸に手を置いた。
「おっ。やる気になった?」
「五条先生は黙っててください」
「はぁーい」
五条はがキスしやすいように身体を屈めている。は空とキスするかのように背筋を反って、形のいい薄い唇に向かって自分の唇を押し当てた。
ちゅっ…と小さな音とともに離れていくと、
「ぷっ──」
なぜだが急に、五条は肩を震わせ失笑しだした。