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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第35章 ハイキュー✿北信介「ちゃんと、隣りに。」


は就職先に悩んでいた。クラスメイトはどんどん大学進学、就職、専門学校の進路を決めていって、はこたつでみかんを食べながら未だに悩んでいた。

「はやりたいことないん?」

「小さい子好きだから保育士さんもいいなって思ったり、でも郵便局の事務員さんも捨てがたくって。働きたいんだけど漠然と働いている自分の姿が想像できなくて。それが嫌で決められないの」

「なりたいもんいっぱいあるっていうのはええことや。保育士試験の資格取るには学校選ばんと。子供相手にするんならお歌とピアノ演奏も必要になってくるな」

「ピアノかぁ……それは頭になかった」

もちろんピアノが弾けなくても働いている人もいると信介は応えた。あくまで可能性の話しだが働く場の選択肢を増やすなら、よりスキルが高い先生を欲しがるのが園の考え方だ。

郵便局の事務ならパソコンスキルが重要だ。電話応対、細かい指示の対応、個人情報を取り扱う業務だから神経つかうのは勿論だろう。は想像できなくて前に進めず、信介は持ってる知識を参考にして話した。

「それでももし悩んどるんなら、うちで住み込みで働けばええ」

「えっ?」

「そうなったらうちのは総出で歓迎するわ。多分早とちりして騒がしくなる」

信介は同じ目線で横になっての前髪をすくう。は目を丸くして未来の自分を想像したのだろう。火が出たようにぐんぐん紅潮していった。

「焦らんでもええよ。うちで働いても引き返せないなんて卑怯な真似はしない。ちゃんと……自分の隣りに将来どんな奴がいてほしいか、時間をかけて考えればええ」

にはそう言ったが、信介の未来には角隠しを被ったが映っていた。信介はこれまでをちゃんと想ってきた年月があり、ちゃんと人間性を知って、好きなところも嫌いなところも丸ごと含めて愛せる自信があった。

「……あんま可愛い顔すんなや。もっと困らせたくなる」

自分のことを考えてくれて困っているが可愛い。こたつの中だからの額がちょっと汗ばんできて、のいい匂いが濃くなるのを感じた。
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