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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第35章 ハイキュー✿北信介「ちゃんと、隣りに。」


ある日の昼休みの時間。前のほうから男と女が肩を並べて歩いてきた。の歩幅はわずかに遅くなって、しっかりと前をみて立ち止まった。

「……」

「返したいものあるから明日の朝、教室に来てくれる? なくて困らないものだけど捨てるに捨てられなくてさ」

「う、うん。分かったわ」

友達はの堂々とした様子に狼狽えていた。伝え終わったは何だか吹っ切れた顔をしていた。人通りの少ない木陰でお弁当箱をふたを開け、は短い息を吐いた。

「北くんありがとう」

「なに?」

「友達に言いたいことちゃんと言えてスッキリした。もう友達には戻れないけど、あの二人みても目を逸らさないでお似合いだなって思えるようになれたの」

はお弁当の卵焼きを摘まむ。幸せそうに食べる姿はどこか誇らしげだ。悲しみより怒りたくなるような事実なのには二人の関係を認めて許した。──信介は思った。あの男への恋心は薄くなって、今の気持ちは隣りにいた自分に向けられているものだと。それに気付いた時、告白せんわけにはいられなかった。

「飯食い終わったら、話したいことある」

「え?」

「大事な話やからちゃんとしたい」

今すぐ告白したかったけど緊張して喉詰まりそうだった。それに食事中に告白って落ち着かなかった。今すぐ告白したいけどちゃんと時間を置くのも大事だと思う。にもちゃんと置いた時間を共有したくて、その時ばかりはお互いの口数が減った。

そして──

「こんな俺やけど、さんが好きや」

玉入れの時に見かけた時からずっと姿を追いかけていた。名前も知らない玉拾いの可愛い子は別の誰かを目で追っていて、失恋したと諦めて。一度は応援して、やっぱ誰にも取られたくないって思った。

「ずっと……1年のときから想うとった。俺と付きおうてください」

と一緒にいたい。どんな過程でもそこにがいてほしい。を幸せにしたい。辛い時、困ってる時、楽しい時、色んな時間を隣りで分かち合いたい。最後には笑っていてほしい。

彼女は薄っすらピンク色に頬を染めて、可愛らしくはにかんで答えてくれた。
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