【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第35章 ハイキュー✿北信介「ちゃんと、隣りに。」
は何事も一生懸命にやる。ずっと見てきたから分かる。はちゃんとできる子だって。
「食う気満々やな」
「たくさん働いて美味しいお米いっぱい食べたいもん。たくさん歩いたからお腹減っちゃった」
「すまん。先言うべきやった」
お腹を押さえたに信介は申し訳なさそうに謝った。いつも何気なく歩いていた道だったが、にとっては初めて歩く道。普通に考えたら歩かせ過ぎた。は大丈夫といったが、この時ばかりは少しでも早く18歳になりたいと信介は思った。
「軽トラの免許はやく取りたいわ」
「そういえばクラスでも話してた子いたよね。車の免許っていつ頃から取れるんだっけ?」
「18歳になるタイミングから逆算して、17歳から教習所にいける。そのうちは所内で習って、誕生日の7日前から仮免試験を受けれる。あとは路上運転数日やれば晴れて免許取得できる。現に俺もその段階にいる」
「えっ。もう北くん教習所で習ってるの?」
「ばあちゃんに楽させたくてな。軽トラあったら便利やろし」
あまり遠出は考えていないが軽トラは家で使っているのがあり、をヘトヘトになるまで歩かさなくて済む。学校の先生に許可を確認する際、免許取得や運転時期について教えてもらった。そしたら諸条件として進学や就職先が決まっており、10月の前期期末試験で赤点がなければ良いとを教えてくれた。
ちゃんとしている信介は規則を破ることはないが、学校側の許可なく運転したら何らかの処分があると言い渡された。
「へえ~、北くんってなんでも知ってるんだね。いつ頃誕生日なの?」
「7月5日やから期末終わったら可能なことは可能やな。さんは車の免許、夏季休暇中にでも考えとるん?」
「うーん。車は欲しいけど今は必要性を感じないんだよね。でもそっか。北くんの誕生日、もうすぐだから何かお祝いしたいね」
その言葉にドキッとする。好きな子が自分の誕生日を祝ってくれると想像するだけで心が熱くムズ痒くなった。
「祝ってくれるん?」
「うんっ! 北くんにはいっぱい感謝してるもん。隣りの席になってつくづく良かったなってこの頃思う。だから……学校にも行こうって思ったんだ」
切なげに笑うを目の前にして、途端に抱き締めたくなった。