【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第35章 ハイキュー✿北信介「ちゃんと、隣りに。」
今日もちゃんと朝練行って、教室に戻るとが隣りの席に座っていた。
「おはよう。北くん、昨日は大丈夫だった?」
信介が挨拶する前にが視線をあげた。たまにの方が先に挨拶してきたときは、何かいいコトあるんじゃないかと理屈もない期待が生じる。すべては不発に過ぎないのだが先に挨拶されるというのは気分がいい。
「おはよう。あんな大雨は久々やったから、ばあちゃんすごく心配して出迎えてくれた。おかげで風邪も引いとらん。さんはひどいのに当たらんかった?」
「途中近くのコンビニに寄ろうと思ったけど、寄り道しなかったおかげで強い雨に当たらなくて済んだよ。帰ってきたらザザーンって雨戸叩いてきたから、浸水するんじゃないかって不安だった。おばあちゃんの田んぼ、かなり被害受けたんじゃない?」
「万全を期してもなんぼかやられたな。でも自然災害やからしゃあない。近所の人も早朝から力貸してくれてホンマ感謝しとる」
祖母の自慢の田んぼは信介にとっても大変自慢である。大切なものをには知っておいてほしくて、祖母と田んぼのことをちゃんと話している。の祖母は天国暮らし。もうひとりの母方の祖母は近所で暮らしており、定年退職した夫とふたりで老後の生活を楽しんでいるそうだ。
自分の好きなことを続けるのもいいが、老後も夫婦で楽しめるのは大変いいことだ。お互いの人生において必要とし合ってる関係。最高のパートナーが見つかって羨ましくも誇らしくも思う。
最高のパートナーが異性とも限らず、友情にも比例する。はあの二人が放課後まで残り、部屋に招かれる関係だということを知っているのだろうか。二人の関係を知って、はまだ笑っていられるのだろうか。教えてあげたい、だけど気付いてほしくない、傷ついてほしくない、には幸せに笑っていてほしいから。
「。お昼行こ~っ」
「あ、うんっ」
いつものようにの名前を呼ぶ友達。なぜあんな平然としてられる? 裏切って騙して、ずっと隠し続けるつもりだろうか。信介はあの女の神経を疑った。
逆には同じ相手を好きになって友情も並行して行えるほど、器用な人間には到底思えなかった。