• テキストサイズ

【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第35章 ハイキュー✿北信介「ちゃんと、隣りに。」


信介は彼女を想って想って、と呼ばれる名前を知った。修学旅行のしおりでという漢字で書くことを知った。口に出して呼んでみる。響きのいい名前だと思った。彼女にぴったりの名前だと思った。

名前を知ったその日から、信介は朝練が終わるたびに横切る教室で心の中で挨拶した。「さん、おはよう。今日は一段と冷えるな」──こんな台詞吐く男は女子からみてどうなんやろう、と思ったけど止められない。自分の中でだけしか通用しない気持ち。やがて恋焦がれる気持ちはあったけど、男と張り合っているのが急に馬鹿馬鹿しく思えた。

信介はとどうなりたいか、には笑っていてほしかった。

の気持ちを何も考えていないと思い直した。もし仮にと信介が仲良くなる出来事があったとして、恋路の邪魔をしたいと思うだろうか。を困らせて、悩ませて、苦しい思いをさせるのは嫌だ。には一番に幸せになってもらいたかった。視界の中にも入っていないのに何を偉そうなこと語ってるんだと思いながら、信介はが好きで彼女の恋を応援することにした。そうすることがの一番心から笑える、幸せだと思ったからだ。

「けどあれは、どう考えても見せられへん……」

雨風に打たれて帰ってきたら、祖母がバスタオルを広げて待ってくれていた。夕飯前に熱いシャワーを浴びて風邪引かないようにちゃんと体を拭いて、美味しいご飯を腹いっぱい食べた。

明かりの消した布団に横たわって、雨の中を楽しそうに走っていく男と女のことを思い出した。があれをみたら傷付くはずだ。異性の部屋にあがるってハードルが高い気がする。信介は考え過ぎだと思ったけど、色々考えてしまう年頃だ。もし濡れた体のをみたらどう思う? きっと我慢できなくなる。温めたくなって、触りたくなって、へんなところに目が行くと思う。

「あかん。寝る前にこんな事考えるんやなかった」

目を開けても瞑ってもの濡れた髪、滴る雫、張りつくブラウス姿が大量に襲ってくる。こうなったら意識が落ちるまでとことんリプレイされる。

信介は悶々しながら健常に手を伸ばした。
/ 1227ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp