【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第35章 ハイキュー✿北信介「ちゃんと、隣りに。」
掃除もちゃんとして部活に行った。帰り際にから「風邪引かないようにね」って心配された。信介はに自分の言葉がちゃんと届いてるのだと喜びを噛みしめた。
今日はフェンス越しにあの男を待つことはない。雨のなか佇むを心配しなくて済むのだと思ったら、心の奥底でほっと一安心した自分がいる。
「サム!いまのトス低いわ!」
「俺セッターやないから知らんし」
「こんなんじゃ試合で使えへん!もう一回!」
「いやだから俺セッターやないし。聞けや!」
今日も双子兄弟は通常運転なほど騒がしく、雨の音が強くなっても体育館にバカみたいに大きな声が響いてる。信介はいつものようにコートの隅っこで毎日していることをちゃんとやり、時には厳しい目を光らせた。
「風邪引かないようにね」とから掛けてもらった言葉を思い出す。信介が土砂降りって言わなければ出現しない言葉だったかもしれない。毎日の体調管理は欠かさずやってるから風邪なんて引くわけないけど、気に掛けてくれたことが何より嬉しかった。
「さっき外でて気付いたんやけど雨すごいわー」
「せやろ。雨具ちゃんと持ってきたか?」
「メールみたからバッチグーや。風も強いから傘組は持たんやろな」
「治はええけど、侑がな」
アランが思わず同感と苦笑いする。治はちゃんとレーンコート持ってきたと真顔でドヤァとみせてきたが、遅れてやってきた侑は「俺聞いてないし!」と騒いでいた。起床前にメールを確認しなかったせいもあるし、治が意地悪して教えなかったせいもある。どちらにせよ、侑は傘しか持ってきていない。全身びちょびちょになる。
しまいには「お天気お姉さんのほう信じるからええ!」と言い張ったが、信介の予報の方が正しかった。
グラウンドの部活動は余儀なく中止。体育館組は完全下校時間前に切り上げても雨は一向に弱まる気配がなかった。