【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第7章 名探偵コナン✿怪盗キッド「化粧室」
キッドは心を見透かしたようにだけを捉えている。自分の顔が熱くなるのを感じ、嬉しくて…どうしようもなくて…、残された罪悪感に後ろ髪を引かれながら目を細める。
「………刑事…失格ですね」
人々と同じように心を奪われてしまった。最初から勝てるはずなんてなくて、仕事と割り切って追い掛けていたけど、彼と会うのが楽しみで……目が合った時は心が弾んだなんて言えるわけがない。
お互い対極側に立っているもの同士。決して結ばれることなどあり得なく、はふっと解放された笑みを浮かべた。
「今回も私の負けでいいです。……貴方のことが、好きです…」
いつも見たいに触って欲しいと願うように、は瞳を閉じる。
(……もう…、後戻りはできない)
額と鼻の横に肌が触れ合って…吐息を感じる。上唇を微かにすくわれ、柔らかい感触が下唇にも伝わってくる。そっと押し付けて、浅く…深く…啄み合っていく。
「ん……ふ…」
重なっていた感触が離れていくと、キッドは何かを察したようにの身体を強く抱き締める。
(嬉しい……。こんなに強く抱いてくれて。これで私の刑事人生も……)
「そう簡単に切り捨てちゃだめだぜ。刑事のおめぇごと惚れちまったんだから」
「!!?──っでも…」
キッドは抱き締める腕を緩めると、ふわりと頭を撫でてきた。
「俺たちしか知らない禁断の関係……。月の明るい夜も…そうでない夜も…、片時もあなたの心を占領したい」
四六時中忘れることなんてないのに、もっと頭を悩ませて…困らせるような関係を続けようなんて非合理的だ。想像してきたら可笑しくて笑えて来てしまう。
「無茶なこと言ってくれますね……。本気で捕まえに行きますよ?」
「…ふっ、願ってもない。まぁそれはそれとして、…ベッドの中でなら組み敷かれたいですが」
「………ありがとう。禁断の関係、望むところです」
がそう言い切るとキッドは嬉しそうに微笑み、覆い被さるように唇を塞いできた。