【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第32章 黒子のバスケ✿今吉翔一「道ならぬ」
今吉の声質が変わってゾクッと震え上がる。
「え?…」
「だから3回目イかされんに何が違うんや?って。セックス依頼した男を部屋に呼び込んで、真っ裸になって、身体いじられて…セーフもアウトもないやろ」
「…、」
イケなくて悩んでいたことを今吉に話した。
あのとき、理解はある、本番はしない、あくまで手伝いって言っていたのに…記憶違いだろうか。
「奥イキ、試したいやろ…?」
「い…やっ…」
「外イキの何倍やろな…、2倍じゃどころじゃない。連続でイキまくれるんやで?」
「い、やあっ…!離してっっ」
「急に嫌がってどうしたん?黙っていればええやん。ほかの男にイかされましたって言えへんのやろ?1回も2回も大差ない、もう道から外れてるんや」
道徳に反した恋人を裏切る行為。
…浮気…。
気持ち良さもあって気持ちが虚ろった瞬間もあった。
けれど戻って来れたから断ろうと思ったのに、今吉は手首を握ったまま離そうとはしてくれなかった。
「痛いよぉ…っ」
「ワシも痛くなることしたくないねん。気持ちええことしよ?二人の秘密や…なあ?」
「イヤ。嫌なの…っ!最後の一線だけは…っ」
できない。
越えたくない。
自分の基準だけれど繋がってしまったら、形が残るかもしれない。
違和感が残るかもしれない。
思い出すかもしれない。
雄星に抱かれるたびにチラつくのだ。
この、男の顔が…。
それだけは何としても避けたい。
「嫌がったら……痛くするで?」
「これ以上はダメっ…なの…!」
「ワシのこと、好きになってしまうから…?それが怖いんか?」
「っち、が…んむッ──」
今吉が唇を押し当ててきた。
今までの優しいキスじゃなくて貪欲なキス。
むさぼってきてワガママで自分勝手で、悲しさと混じり合って息も苦しくなって涙が零れる。
「……その顔、好きやで。女の子泣かせるん趣味なわけちゃうねんけど…、そそるわ」
ゲスな笑みを浮かべて、今吉はまた唇の隙間を埋めてきた。