【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第32章 黒子のバスケ✿今吉翔一「道ならぬ」
達した瞬間、何も考えられなくなった。
全身が火照ったように温かくなった。
小刻みに筋収縮して、全身の力が一気に抜けるのだが…心地のよい脱力感。
「…ぁ……はー…っ…」
頭の中がぼー…とする。
とっても気持ち良くて天国に行ったような感覚。
大げさな言い方かもしれないけど、それくらい気持ちが良くて…。
指が引き抜かれた感覚があり、覆い被さってきた今吉の顔が近くまでくる。
「イキ顔ごちそーさん」
「んっ…」
ぼーっとする意識の中で今吉はキスしてきた。
罪悪感などなくて、それは後々やってくるんだけど今吉のキスは上手くて気持ち良かった。
「はぁ…ふ、…ど…しよ…」
「んぅ?」
キスの隙間で声を発する。
顔が近くにあって、時折唇を甘噛みしてくる。
「ど…しよ…。気持ちい、の…、どうしよ…」
「どうしようって、なんで困ってるん?」
「そ…れは……っ」
もう一回イかせて欲しいから。
いや…そうだけど違う。
もっと触ってほしいから。
そう、だけど違う。
「ならワシから聞くわ。最後の奥イキってのは、男がいないと出来んやつなんやけど…」
「…、」
「口で言いたくなかったらベロ出して?舐めとって…ねっとり絡めて、ディープなキスで天辺までイかせたるわ」
いまなら今吉が腹の内で考えていることが分かる。
理性を試している。
舌まで絡めてこない甘いキス。
男がいないと成立できない奥イキ。
今吉はここに来て試してきた。
「……、」
口は開いては閉じる。
涙で滲んで見えなくなったらどんなに楽なんだろう。
目の前にいる男が彼氏だったらどんなに幸せだったんだろう。
心の中にいる3年間そばに居てくれた雄星の微笑んだ顔が横切る。
「っ…」
断ろうとした時、ゲスの笑みを浮かべた今吉は耳の横に唇を近付けた。
「3回目イかされんのになにが違うんや」