【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第32章 黒子のバスケ✿今吉翔一「道ならぬ」
今吉とはある約束をしていた。
雄星のためにもっとイイ女にならないかと。演技じゃなく、ちゃんと気持ちいいって言える身体にならないかと。
「…試してみぃへん?丁度ええもんもあるしな」
電マを握る今吉はベッドに座ったまま、の感情を試しているようだ。お願いしたのにいざとなるとその一歩が踏み出せなくて、罪悪感に苛まされる。
「………」
「ここにあるっちゅうことは、いつも使ってるん?凝りやすい体質なんか?」
「う、うん…。肩とかは特に…」
「別にヘンに背中曲がってるわけでもないし体質なんかな。ワシ、マッサージも上手やねん。どんだけ張ってるか確認させて~」
また表情をコロッと変えて、いつもの今吉に早変わり。さっきのアダルトな顔つきは嘘のように消え、人懐っこい笑みを浮かべては、警戒心の糸を解いていく。
ベッドサイドに腰を下ろし、今吉は肩揉みをしてくれていた。
「あー…でも、思ったほどではないのぉ」
「そうかな…?」
「指がなかに入り込むからまだそんなんでもない。ここのスジ、解したいからベッドに横になってもらってもええ?」
「アルバムは見なくていいの?」
「それはいつでも見れるからええねん。ほら、横になりぃ」
「う…うん…」
今吉の言葉に甘えて横になり、肩だけでなく自分では届かない背中や腰の方まで確りマッサージされて気持ち良くなっていく。
「血ィが流れて、身体がぽっかぽっか温かくなっていくやろ」
「うん……。温かぁい」
「だんだんワシの指も、この身体に馴染んできてるわ。身体の中にワシの指、入り込んでくる感じがするやろ…?」
「うん……。気持ちいぃ」
「全身の血流もリンパもリラックスしてきた証拠や。ほんなら前のほうも解していこか~」
「うん……」
ベッドにごろんとなって上を向くと、今吉の顔があって少しドキッとしてしまう。
今吉がいることは認識していたつもりだが、よくよく目の当たりにして自分のベッドに他の男をあげていることに少なからず抵抗を覚えたからだった。