【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第32章 黒子のバスケ✿今吉翔一「道ならぬ」
メニューを追加オーダーして、会話を弾ませているとふとの頭の中に「人生相談」という言葉が蘇る。
(何考えてんだろ、私。今吉に話して一体なにをどうしてほしいのよ。親にも友達にも顔の見えない相手にも言えないっていうのに、こんなただの生徒会メンバーに話すとか…)
「ほら。また悩んだ顔しとる。ワシで良かったら聞くで?」
…でも。
話したら楽になるのかな?
「……誰にも言わない?」
自分でもよく分からないが、今吉なら適切なアドバイスをくれそうな気がした。いきなり言うのは恥ずかしい気がして、今吉相手に念のため探りを入れる。
「あのさ。今吉って……、何人と経験ある?」
「なんのや?」
「……エス、イー…エックス…」
誰かに聞こえたら恥ずかしいからローマ字を日本語読みにして伝えると、今吉は間をおいてからテーブルの上に数えた指を出す。
「こんだけや。そんで悩みってのは…そうやな。感じない、とかか?」
「……、」
は正しくそうだと確りと頷き、今吉は「う~ん」と思考を巡らすように窓に視線を向けた。
今吉は少なくともより多い相手と性行為をしていることが分かった。それが年上なのか年下なのか、同じ学校の生徒なのかは分からないが、その数に驚いたのも事実。
「……演技とかって、男側からみたら分かるもんなの?」
「まあ少なくともワシは本気でイッたか、演技でイッたのかは見れば分かるな。両方とも経験あるし」
「経験がものをいうか…」
「ちゃんも彼氏君もお互い初めての相手なんやろ?だったら思い切って別の相手と一発やってみるとか」
「思い切り過ぎだよ。しかもそんなの無理だし」
「なんで?」
自分の容姿に自信がない。
雄星を裏切れない。
ほかの相手とするのが恐いっていうのもあるし、言ってしまえばキリがない。
(そもそもセックスとか好きじゃないし……)