【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第7章 名探偵コナン✿怪盗キッド「化粧室」
会場の近くにも女子トイレがあったのだが、警備員が近くで見張っていたので更に奥にある化粧室へ向かう。鏡の前に立つと髪を解いてもう一度縛りなおす。
「今日も……」
──怪盗キッドは自分の顔をみて嘲笑うのだろうか。
気付けばもう25歳。定期的に行っている女子会では、仕事や恋愛、噂話とか、美容、合コンの日取りとか、色とりどりの話しをする。
学生時代はそうでもなかったのだが、警官学校に入るととっつきやすい性格だったため毎週のように告白された。1度や2度、一目惚れすることがあったけれど見ているだけで、一度付き合った彼氏にはガードが固すぎると呆れられ、キス止まりで決別。
(あんな、たらしの泥棒に恋するなんて……)
あの日以来、の心は取り乱されていた。もう一度鏡を見て気合いを入れ、トイレで用を済ませる。何も考えずに戸を開けると……目の前に。
「やあ、お嬢さん」
「え」
そこには居てはいけない白衣装の男がいて、トイレの戸を閉めようとしたがグッと割り込まれる。
(どうしてこんなところに…!!?)
は素早く距離をとってホルスターに手を伸ばす…が、両手を防がれて壁に押し付けられる。次に自由に動く足に力を込めようとすると、ふっ…と力が抜けるような切ない声で囁かれた。
「あなたと二人きりで話がしたい」
「ッッ」
耳打ちされた声に身体中の血液が騒ぎ出し紅潮する。心臓がバクバクと激しく脈を打ち、宿敵相手に恥じらった顔を見せてしまい…は咄嗟に顔を背ける。
「…ふっ……ご理解いただけたようで。少々気分が舞い上がってしまい、不躾な真似をして申し訳ありません」
攻撃の意志が失ったのを察したように怪盗キッドは手を離し、個室の空間に静かに鍵を閉めた。