【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第7章 名探偵コナン✿怪盗キッド「化粧室」
は長くなった髪をひとつに束ね、ネイビースーツと白カットソーを清楚に着こなし、落ち着きなく右へ左へ歩いている。壁に差し掛かって回れ右しようとしたとき、中森警部が声を上げた。
「、おしっこか?行きたいなら今のうち済ませておけ」
歩くのを止めたと思ったらはムスッとした顔を寄こし、上司である中森警部にジト目を向ける。
「違います~」
「ん?おしっこじゃないのか?あまりにもそわそわしてるから……。あーもしかしてうん「そうじゃないですってば!!」
静かな会場にの声が響き渡り、配置で立っていた警備員たちも年頃の娘と父親の和やかな雰囲気を見ているようで現場の空気が少し和やかになる。
「もぉ~…。そういうオジサン発言止めてください」
「オジサンだからしょーがねーだろ、ったく…。まあ…お前の志望動機がワシに憧れてだもんな。まったくぅ、可愛いもんだぜ」
「言ってません。そんなこと一言も」
今夜、この会場にあるとある絵画が盗みにくると怪盗キッドから予告状が届いた。は若くして捜査二課に抜擢され、その後まもなく怪盗キッドと対決することになったのだが……。
それ以来、寝覚めが悪い日を繰り返していた。
怪盗キッドと初めて対峙したのは168日前。ビンゴで追い詰めたと思ったら一人で突っ走ったのが仇となり、名前を聞かれたので名乗り…気付いたら唇を奪され、結果的に宝石も盗まれてしまう大失態。
次挑むたびに尻を触られ、スカートの中を覗かれ、胸を手をあてがわれ……女であることを馬鹿にされているかの如く、怪盗キッドは嘲笑うように顔を寄せてくる。
「……お化粧室行ってきます」
そういうと中森警部は「やっぱりおしっこなんじゃねーか」と言ったので、「私だって女の子ですから憶測しないでくださいね」と言い返し、会場から離れた女子トイレへと向かった。