【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第32章 黒子のバスケ✿今吉翔一「道ならぬ」
は生徒会に所属しており、後輩たちと10月に行われる文化祭準備のために色々な案を出し合っていた。
─「ん~。コレっていうのが中々決まんないっスね!」
「イイ線いってるとは思うんだけど、何かが物足りないのよねぇ」
─「インパクトかぁ…」
年々減っていく生徒会メンバーで知恵を絞り合う。後期からの生徒会長と副会長は部活が忙しいという理由で、残ったメンバーだけで話し合いを行うが息詰まっていた。
「なんや。辛気くさい顔ばっかりやのぉ」
─「あっ!今吉先輩っ!!」
「珍しいね…。部活はいいの?」
「今日はアイツらだけでやらしてみよう思ってな。こっちにも久々に顔出したかったし。ふ~ん…。オープニングムービーねぇ」
ガラガラと扉を開けて入ってきたのは同じ3年生の今吉翔一。同じクラスになったことはないが、1年生の時から生徒会メンバーとして顔馴染みだ。
今吉はバスケ部の主将を務めており、2年の時は割かし顔を出していたが3年になってからはめっきり顔を出さなくなったため、は少々驚いた表情を零したのだ。
─「今吉先輩。何かいい案ないっスか?俺たちだけじゃまとまんなくって」
「ん~。そうやのぉ…」
顎にあてた手を擦りながら糸目を細め、今吉は空いていたの隣りに腰を下ろす。
今吉が加わったことにより息詰まっていたところも上手くまとめ上げ、話題も更に広がっていく。今吉も「可能な限り顔を出すわ」と言い残し、サラッとした様子で出て行ってしまった。
「あっ。今吉ちょっと待って…!」
「ん~?どないしたぁ?」
「今日はありがと。それと今週の土曜日、何時に待ち合わせだっけ…」
「あーそうやの。朝10時でもええし、昼過ぎでもええし、ちゃんの予定に合わせるで」
「ちゃんっていうの止めてよ。気持ち悪い…」
「女の子の下の名前を呼びたいときは、み~んなちゃん付けなんや。呼び捨てするんは特別なヒトだけ」
「そんなこと聞いてないんですけど」
「3年も同じ彼氏おるんに冷たいなぁ」
今吉はいつもの様子でへにゃりと笑い、朝10時に駅で待ち合わせて買い出しを行うことになった。